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  • 執筆者の写真マイクロスペース活用術

自販機の収益を10%~50%アップさせる方法の実際


マイクロスペースを活用した収益化で一番ポピュラーなものは飲料自販機でしょう。しかし、街を歩いていると、「これならもっと収益上げられるのにな~」と思う活用をしているケースも少なくありません。ここでは主に既設自販機の収益を最大限高める方法を紹介します。


まず、自販機業界の構造をみてみましょう。日本全国の自販機の数は、2021年末約400万台(日本自動販売システム機械工業会調べ)。面積を考えると、「安全な日本」を象徴するように、国土面積を勘案した場合実質的な普及率は世界一といってよいでしょう。(1位の米国は645万台)外国人が日本に来たとき、「現金が入っている箱が誰もいないところに置いてある。WOW!」と驚く人も多いようです(笑)。ただ、全体の伸び率は下がっていて、2021年は前値比1%減で、人口減とECの伸びでこれからも微減が続くでしょう。


大部分を占める飲料自販機には、飲料メーカーの子会社が運営している専売機と、代理店等が主に運営する各メーカーの商品が混在する併売機があります。ここでは、多数を占める専売機のシェアを見てみると、下記になります。

​順位

ベンダー

シェア率

1

​日本コカ・コーラ

26%

2

サントリービバレッジ

24%

3

アサヒ飲料

-

4

伊藤園

-

5

キリン・ビバレッジ

-

ざっくりしたランキングですが、直近(2021年)で、長年トップに君臨している巨人・コカコーラにチャレンジャーであるサントリーが肉薄している状況にあります。自販機チャネルに限らない、総合清涼飲料でのシェアはすでにトップであるサントリー社内では、悲願の自販機でのトップを今年こそ奪取するべく、トップからの号令がかかっているそうです。(中の人にききました)また、この他に八洋や、FVジャパンといった併売機、専売機を両方扱う有力代理店があります。


右肩下がりの市場にもかかわらず、飲料自販機に各社が力を入れているのは、下記の理由があるからです。

  • 量販店やスーパー等と比べた際の、値引き幅の小ささ=利益率の高さ

  • 人手不足の進展で、自販機が見直されていること

後者で言うと、最近皆さんも、都市部でラーメンや餃子の自販機をを見たことがあると思うのですが、自販機のバラエティは確実に広がっていますし、大手メーカーも食品の自販機販売を模索しています。(参考記事:日経ビジネス サントリー オフィス自販機の空きボタンで軽食販売


こうした理由で、各ベンダーともにまだまだ力を入れており、限られた市場の中でシェア競争をしているのが自販機業界なのです。よって、オーナー視点では、既に設置をしている自販機でも、複数台ある、または複数物件を持っており、2物件以上自販機を置いてもよいスペース(1㎡~)があるなら、交渉により、条件アップの可能性があります。


例えば、5台自販機があったとして、下記のような状況にある場合、交渉の余地はかなりあります。具体的には、A~D社に「1社に全ての台数を統一するから、見積もりを出してほしい」と依頼するのです。ただこの場合だと、3に代理店自販機が入っているので、メーカーは(自社の自販機を売ってくれる代理店と競合するのに遠慮して)見積もりを渋る場合が多いですので、その場合は、便宜上でも「第三者に代理を依頼して、入札をする体裁にして」交渉することが必要となります。

1

​A物件

建物脇

飲料A社自販機

2

A物件

駐輪場脇

飲料B社自販機

3

B物件

建物前

代理店C社自販機

4

C物件

建物横

飲料D社自販機

5

D物件

建物裏

飲料A社自販機

私は過去、全国で1000台以上の自販機の交渉サポートに携わり、いま手元に膨大な各社の提示条件データがありますが、驚くほど、各社幅広い条件を出しています。


自販機ベンダーからオーナーに支払われる収益には大きく2つあります。1つは設置切替の際に1階限りで支払われる「協賛金・設置金」と、月の売上の数割が支払われる「売上歩合」です。前者で言うと、1台あたり5万円~100万円以上(!)、後者では、10%~30%以上と立地、台数により、交渉次第でかなり差が出ています。


とある小売業チェーンでは、年間数千万円以上の利益が交渉により出たため、上場企業であったので、あわてて投資家向けのの四半期報告書に経緯を記載したこともある位です。「複数のベンダーの自販機を1社に集約してしまうと、(特に同じ物件に複数台ある場合)肝心の売上が下がってしまうのでは?」という疑問もあるかと思いますが、前述のトップメーカー数社に関しては、あまり変わらない、というのがデータ上の結論です。


なぜなら、上位メーカーであれば、いまや自社商品だけでなく併売機で商品のバラエティを演出することも可能ですし、「このメーカーにしたから、極端に売上が下がった」ということはあまりないのが実情だと思います。


いかがでしょうか?この他、人通りが多い場所なら、既設の飲料自販機を1台撤去して写真撮影機を組み合わせたり、コンビニが近くにない場所なら食品自販機にしたり、または、電動キックボードポートを組み合わせたりすることで、更に集客向上をすることもできます。一番大事なのは、常にスペース活用を見直し、最新の情報を取り入れてアップデートしていくことです。

















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